外国人が日本で生活するには日本語を身につけなければなりません。でも「どうやって勉強すればいいの?」「日本に住まなくても勉強する方法はあるの?」「日本人が外国人に日本語を教えるときにはどんなふうに進めればいいの?」「何に注意すればいいの?」など知りたいことは次々出てくるでしょう。
ここでは、外国人が日本語を身につける、外国人に日本語を教えるために役立つ情報をお伝えします。

外国人にとって日本語は難しいもの?

外国人にとって日本語は難しいもの?

「日本語は世界で一番難しい言語」と日本人から聞いたことがあります。なぜか誇らしく思ったりもしますが、「その根拠はどこにあるの?」とも思いました。そこで見つけたものが Language Difficulty Ranking (言語の難易度ランキング)です。

この資料によると、日本語はカテゴリー5(1から順に難しくなり、最も難しいのがカテゴリー5)に含まれ、同じカテゴリーにはアラビア語、中国語、韓国語があります。そして日本語にだけにつけられた*マークの意味は、そのカテゴリー内でもより難しいとされるからとのこと。

日本語が世界一難しい言語だというのは、この資料からすると、あながち間違いではないのでしょう。

さて、当の外国人たちは日本語のどういったところに難しさを感じているのでしょうか。仕事柄多くの外国人に出会いますので、何よりも生の声をお伝えします。

語順

主語が最初にあり、述語が最後に来る日本語を難しいと感じる国々は多いようです。これについては日本人が英語を勉強するときにも同じ苦労をしているので「お互いさま」といった気もしますが。

また主語述語だけでなく、修飾語が語彙の前に来る形も慣れるまでは大変とのことです。後ろからつけ足すように修飾していく言語で育った人たちには「大きい壺、中国製、Aさんの家にある」ですが、日本語では「Aさんの家にある中国製の大きい壺」になります。

身についてしまった感覚を切替えるのは時間がかかりますね。

読み書きが難しい

話したり聞いたりはできても、読み書きは難しい、とよく耳にします。特に漢字圏でない人の場合、漢字を一から覚えないといけないので、まるで拷問のようだとの声が聞こえます。

では漢字圏の人にとっての漢字は楽かというと、やはり難しい点はあるとのこと。意味はわかっても正しい読みはやはり覚えるしかないので、拷問とまでは言わなくても何かの罰、おしおきのようだとの声がこれまた聞こえます。

たとえば「生」という漢字。読み方がたくさんあります。「せい」「しょう」「い(きる)」「なま」「は(える)」「う(まれる)」「うぶ」「き」などです。芝生のときには「ふ」とも読みますね。この話をするたびに外国人たちは顔をしかめ、頭を抱えています。

擬声語(オノマトペ)

日本人が共通した感覚として使っている「ざあざあ」「ぱくぱく」「シーン」「きりきり」「ずきずき」などの擬声語も、難しいことのひとつとして挙げられます。

「ふわふわ」といえば、やわらかくて軽い感じを多くの日本人はイメージしますが、このイメージは外国人とは共有できません。外国人は、雲やパンのやわらかさを表す表現が「ふわふわ」だと覚えていくしかないのです。

方言

学校で勉強する日本語と、アルバイトなどで耳にする言葉が全然違う、という不満も耳にします。東京周辺の地域以外の学校では、使う言葉の違いだけでなくアクセントも変わりますから、方言への不満はより多く聞かれます。

日本語は最後まで聞かないと肯定か否定かわからない、と勉強した外国人は、文末が「~やん」「~けん」になったら頭が混乱します。さらに動詞の言い方(「捨てる」が「ほかす」「うっちゃる」になる等)まで違うとなったら、もうお手上げといった気持ちになるそうです。

とはいえ、「方言が好き!」という声が多いのも確かです。生活の中で実際に見聞きして覚えていくので、自分の感情をのせて使いやすいからでは、と想像します。

敬語

尊敬語、謙譲語などいろいろな言い方があるので難しいのはもちろんですが、それに慣れたとしても、上下の差の程度によってちょうどいい加減の敬語を選んで使うことが難しいともいわれます。

これは日本人にとっても実は難しいことですが、敬語を正しく使えてこそ社会人とも言われることもあり、日本で仕事をしたいと考える外国人にとっては敬語を駆使することは大きなプレッシャーになっているようです。

外国人の日本語上達のための勉強法

外国人の日本語上達のための勉強法

日本語がうまくなりたい、上達したいという言葉はよく聞きますが、「日本語を使って何ができるようになりたいのか」という目的をはっきりさせることが、効率よく勉強するコツです。大学に進学したいのか、仕事で使いたいのか。

仕事で使う場合は、その業界で使われる専門用語も知る必要がありますし、社内で使う日本語をまず上達させたいのか、社外の人とも話す機会が多いのかといったことも考えて勉強法を探る必要があります。

大学進学を目指して、ということであれば、試験に出る語彙を知ること、文法をきちんと勉強することは重要です。それとともに進学後の授業のための読み書き能力、留学試験のための勉強もあわせて必要になります。

日本語教材

ネット上にもたくさんの教材がありますから探してみるとよいでしょう。特に国際交流基金のサイトには良質の日本語教材が置かれています。

「勉強はやはり本でしたい」という人には日本語教材専門書店(凡人社、大谷書店、そうがく社、日本語ブックス)がありますから、足を運ぶ、またはオンラインで調べてみることもおすすめします。

しかし、「いかにも勉強といった教材はなんだかとっつきにくい」という声も聞かれます。そんなときは、自分の趣味や興味とからめて勉強するというのもひとつの方法です。

外国人の日本語勉強に絵本は有用?

絵本は有用かどうかの答えは、「はい、有用です!」。どうして有用なのかの答えは下記に挙げますが、その前に、いかにも勉強といった読解用の教科書について説明すると…まず、おもしろくないのです。さらに学校ではそれを一文一文精読と称して細切れにしますので、全体のおもしろさをわかる余裕はありません。

一生懸命教えてくださっている先生には申し訳ありませんが、ただでさえおもしろくない内容のものを精読することによって、さらにおもしろくないものにしている感があります。

では、絵本の有用性について書きましょう。

  1. 「読めるのでは?」「わかるのでは?」と期待でき、心理的ハードルが低くなる
  2. 絵の助けがあるので理解しやすい
  3. わからなくても読み飛ばすということがしやすくなる
  4. 助詞の使い方が正確になる
  5. 絵によって、頭の中で母国語からの翻訳なしに語彙が覚えられる
  6. 擬声語が自然に覚えられる

特に③が日本語をずっと勉強していく外国人にとっては一番の有用性だと考えます。教材では難しい箇所が多すぎて、読み飛ばしたら何もわからない、ということになりがちですが、絵本では多少の読み飛ばしをしても大意はつかめることが多いので、自信につながります。

なお、絵本を選ぶ際には好みの絵、主人公への共感が得られるものがよいでしょう。またできる限り多くの絵本を、ひたすら多読していくことがおすすめです。

日本の歴史を一緒に学ぶ

日本の歴史を一緒に学ぶことは、日本語を上達させる以上のメリットがあります。

歴史を知ることは、その国に生まれ育っている人への理解を深めることにつながります。また日本人にとっては、日本の歴史をよく知っている外国人に好感を持つことはまちがいなく、コミュニケーションにも役立ちます。

歴史に関する漫画や、子ども向けの歴史の本なども数多くありますからぜひ挑戦してみてください。歴史も日本語も学べて一石二鳥です。

日本の歴史に興味があって、来日する前からある程度勉強してきている人もいるかもしれません。母国語で書かれたもので勉強し、そのときに知ったことを日本語でもう一度知ることになれば、知的好奇心も満たされることでしょう。

映画やアニメ、ゲームから学ぶ

日本の映画、アニメやゲームが好きで来日したという場合は、その興味を日本語上達に生かしましょう。好きなものであればいくらでも見たり、読んだりできるでしょうし、オンラインゲームでの会話で勉強するという話もよく聞きます。

ただし中には、そのまま会話に使うと失礼になる場合もあります。使ってみて相手の表情が変わったらすぐに「この使い方はおかしいですか?」と尋ねましょう。それが会話のきっかけになり、日本語でのコミュニケーション力が増すことにつながります。

日本語にとにかく触れること、使ってみることが上達のために大切なことですから、好きなものを通してその機会を多くもつ、母国語ではなく日本語に触れる時間を増やすために、映画、アニメ、ゲームを大いに利用してください。

日本の食文化を通して学ぶ

母国で出会った日本食がきっかけで来日を決めたということはよくあるようです。食は言うまでもなく、国を問わず興味ある話題です。

最近ではYouTubeで日本食の作り方を知ることができます。そのときに流れる日本語を聞けばもちろん勉強になりますし、そこに出てくる材料名から食べ物の語彙を増やすこともできます。

来日後はそういったYouTubeを日本人に紹介してみるのもいいかもしれません。日本人は日本食の作り方を紹介するYouTubeを見ることはあまりありませんから、きっとおもしろがることでしょう。実際に作ってみたという話ができれば、さらに盛り上がります。

日本の歌で日本語を学ぶ

歌から日本語を学ぶこともひとつの方法です。歌詞の中の言葉はときに難しいものもありますが、それを調べるのもまた楽しいことです。ときには何を言いたいのかわからない歌もあるかもしれませんが、歌ですからそこは気にしなくてもいいでしょう。

楽しく歌い、ときにほめられ、歌い込んでいるうちにいつのまにか発音も正しく直されることもあります。聞くというインプット、歌うというアウトプット、どちらもできるという点で歌はよい方法です。

リスニングの練習教材に使うのもいいですね。歌詞は検索したら出てきますが、その前に何度も聞いて書きとってみる。繰り返すうちに、自分が何の音を聞き逃しがちなのかわかってきます。

日本人の友人・知人と多くの時間一緒に過ごす

日本人の友人・知人と共に過ごすのは何よりの勉強になります。人間関係の親密さによって言い方が違うこと、そのときの気持ちによってどういった言い方を選ぶのかなどが実体験を通して強く印象づけられるからです。

たとえば、何かお願いしたいときの言い方でも、相手が年上や上司だった場合は丁寧かつ相手の状況を思いやった言い方になりますし、友だちであれば多少は強引な言い方もします。

また誘いを断る場合でも、次はぜひ行きたいと思っている場合と、次もきっと断る場合とでは言い方が変わります。こういったより自分の気持ちにそった言い方ができるようになるには、実際の場面で知るのが一番です。

初めは何事も遠慮しがちな日本人ですが、親密になった後には、間違った日本語を何度でも訂正してくれるようになるでしょう。使ったその場で直してもらえる。これは何よりの勉強になります。

もうひとつ、知人・友人から日本語を勉強するよいことは、言葉にともなう身振りやしぐさなどが自然と身につくことです。外国人がより正しく伝わる日本語を身につけるためには、こういった言葉以外の部分も自然に出せるとよいことは言うまでもありません。

日本にいなくても動画ならいつでも勉強できる

食文化のところでYouTubeの紹介を少ししましたが、YouTubeは今やありとあらゆることを簡単に知ることができるツールとなりました。

日本語の学習に関していえば、YouTubeで文法の授業が受けられますし、どういった勉強をしたらいいかというヒントを得ることもできます。日本にいなくても勉強する方法はいくらでもあるのです。

ただ注意しなくてはならないのは、自分に合ったレベルのものを選ぶこと。そして少しずつレベルアップを図っていくようにすることです。あるものすべて勉強になるとはいえ、難しすぎるものでは続きませんし、好きなものを見ているだけでは上達している手ごたえがなくなり、飽きてしまいます。

eラーニングで勉強も可能に

自分に合った難易度で始め、上達の実感を得ながらやっていくためには、計画されたカリキュラムにそって勉強していくとより効果的です。先に紹介した国際交流基金のサイトには、レベルごとに分けられたeラーニング「まるごと」があります。

独学でこれを使ってしていくのは無料ですので、まずは視聴してみてください。手ごたえを感じ、じっくり確実にしていきたいのであれば、有料ですが先生のサポートつきのコースもあります。

このコースを使っている海外の日本語学校もあると聞きました。教材のダウンロードもできるので、大いに活用しているとのことでした。

オンラインで言葉と意味を動画やテキストで知る

国際交流基金のサイトには、eラーニングだけでなく「ひろがる」という素晴らしい動画が置かれています。日本の今現在の日常が見られるだけでなく、そこで交わされている会話を聞くことができます。

2021年5月の時点で紹介されている動画は12種と新しく出た4種の計16種です。

内容は「星・夜空」「アウトドア」「武道」「カフェ・お茶」「スイーツ」「スーパー・市場」「書道」「アニメ・漫画」「本・図書館」「寺・神社」「音楽」「水族館」。そして新しくアップされたものが「哲学」「太陽」「焙煎」「参拝路」です。

まさに日本の今を切り取った内容で、生活するための日本語を身につける助けになるようにという目的が伝わってきます。たとえ日本にいなくてもまるで日本で生活しているかのような生の日本語を味わうには最適です。

この動画の良い点は字幕つき(字幕なしも選べます)であることです。聞き取れない語彙があっても見ればわかり、すぐに意味を調べられます。また字幕で書かれている語彙には聞こえにくいものもありますから、語彙の音ごとのアクセントの強弱まで細かく自己チェックできます。

また使われる場面によってのトーンの変化、たとえば友達どうしのドライブのカジュアルな会話と、日本文化がよく表れた日本茶と和菓子のお店での少しかしこまった会話の違いなども実体験しているかのように知ることができます。

外国人が間違えやすい日本語

外国人が間違えやすい日本語

外国人が間違えやすく、日本に30年住んだとしても残る間違いは「助詞」です。そして外国人が感じる難しさに挙げられた「擬声語」「敬語」ですが、これらはいつまでも完璧にはならないものとして、ある程度のところでよしとしてもよいのではと考えます。

もちろんより正しいものを追求してほしいのですが、実際のコミュニケーションでは大きな問題にならない、わかりにくいけれど通じているからです。むしろこれらの点については、日本人側が間違いを許容する、想像力を働かせて聞くなどの歩み寄りがあってもいいのでは、と個人的には思います。

問題となるのは、わかっていると思い込んで話が進んでいるが、実はわかっていないということが煩雑に起こる「カタカナ語」です。

あとは、外国人が通じていると信じているのに実は日本人側にはよく理解されていないということが起こるもととなっている「文法的間違い」や「主語や対象者の省きすぎ」から来るわかりにくさです。

後者は、日本語に長けてきた後に起こることですのでひとまず置いておき、「カタカナ語」。これは思った以上にやっかいです。親切心で選んだ言葉がかえって相手を混乱させているのですから。

スリーエーネットワークから出されている「分野別カタカナ語彙トレーニング」という本からいくつか語彙を挙げてみましょう。

改訂版 分野別カタカナ語彙トレーニング

Amazon参考価格 1,430円

ストック、センサー、コンセント、リビング、セーフ、ピンチ…。

これらは、覚えるべき語彙として教科書に載っている言葉です。当たり前に通じていると思いそうな言葉ばかりですね。

「ピンチになる」「それはセーフ」「ストックある?」こんな簡単な言葉でも、外国人はわかっていないことがあります。「ピンチは名詞?動詞?「~となる」ということは何かになる、つまり変わるという意味でしょうけど、ピンチって何?」といった具合です。

多くの人にとってよく知る言葉と思われる「マクドナルド」でさえも、日本式の発音では完全に別の言葉に感じるようです。カタカナ語だから通じやすいというのは、日本人側の大きな誤解です。

外国人への日本語の教え方

外国人への日本語の教え方

学校に留学生がいる、職場で外国人に日本語を教える立場になった、そんなときには日本語をどう教えたらいいのでしょう。もちろんどの程度の基礎ができているのかにもよるのですが、まず何をすればいいのかをお伝えしてみます。

外国人労働者を雇用している企業の場合

語彙の一覧を作る

企業の場合は、学校では習わないが仕事の中でよく使う語彙があります。ネジ、スパナなどの道具の名前やホール、ラインなど場所の名前、シフト、夜勤、三交替などの働き方に関する語彙などです。

こういった語彙を一覧にして事前に渡すとよいでしょう。母国語での意味もつけると親切ですが、最近ではスマホですべて調べられますから、なくても大丈夫です。ただし、読みがなは必ずつけてください。

ゆっくりと繰り返し話す

こちらの説明を外国人がきちんと理解したのかいつも不安です。理解していないと感じたときについしてしまうことは他の言い方に言い換えることですが、これはますます混乱させるもとです。

それよりも、一度した説明をゆっくりともう一度繰り返す方が正しい理解につながる可能性が高いです。残念ながら、日本人が言い換えてわかりやすくしたつもりの説明はかえって難しくなっていることが多いのです。

「やさしい日本語」とは何かを知る

日本語教師養成コースのひとつに「やさしい日本語」があるほど、日本人が考える易しくて優しい日本語と、外国人が求めるそれとの間には勘違いや誤解があります。この「やさしい日本語」について少し知っておくとお互いに楽になります。

いくつかポイントを紹介しましょう。

熟語的な言葉はやめて、わかりやすい言葉にする

終了→終わる、開始→始める、来期→次のとき、といった具合です。

文は短く切り、曖昧な表現はしない

「明日は大事なお客様が来るので、会議室前を通るときには気をつけましょう。」
→明日は大事なお客様が来ます。会議室で会議をします。会議室の前を通るときには静かにしましょう。

特に一文ずつ区切って話すことは非常に大切です。また、注意する、手伝うなどのあいまいな言葉の中味が共有できているか、常に想像力を働かせることも必要でしょう。

外国人の友人・知人に日本語を教えたい人の場合

体験を共有する

パーティーなどの特別な機会でなく普通の生活を共にする、これが一番です。茶道や華道などの異文化体験もよいですが、すでにどこかで体験している可能性もありますし、そもそも興味がないかもしれません。

電車やバスでいっしょに出かける、料理を作って食べる、ゲームをいっしょにする、家でテレビを見るなど。そんな日常生活の中にも、外国人にとって知らないこと、発見は数多くあり、ひそかにその異文化体験をインプットしていますから十分なのです。

間違いを遠慮なく直す

会話の途中で日本語を直すのは失礼なように思いますが、外国人からの日本人への不満として「間違っても直してくれない」というのを実際によく耳にします。「今までだれも直してくれなかった」という言葉もよく聞きます。

日本語が通じない、コミュニケーションがとれないというのは死活問題なのです、と言ったらおおげさでしょうか。でも異国で生活する外国人は、日本語を身につけることに対してこちらの想像以上に真剣です。

わかったふりをしない

上記のことともつながりますが、語順の違いからか、話の組み立て方の違いからか、どうにも理解できないときがあります。そんなときははっきりと「わからない」と伝えましょう。ここをつい遠慮してしまう心優しき日本人は多いのですが。

「日本語を一生懸命話した。うなずいてくれた。よし!」と思ったのに、実は「全然理解してもらえていなかった。じゃあ、どうしてわかったふりをしたんだ!?」そんなふうに思われ、日本人は嘘つきだと言われることもあるかもしれません。

日本語を通して、その外国人を知る

近所や職場、学校などで外国人と接する機会が増え、昔のように外国人=アメリカ人と考える人はさすがにいないでしょう。それでもまだまだそれぞれの出身国ごとの考え方や言葉のクセなどの違いはわからないことがほとんどです。

だからこそ、お互いに相手の立場、思いを想像することは大切で、そのための道具である日本語を磨き、駆使することは外国人にとって必要不可欠です。また不十分な日本語で生活している外国人に、ひとりの人間としての思いを知ろうと日本人からも歩み寄ることは人として当然すべきことだと考えます。

異国の言葉を身につけるのは難しい、異国の習慣へのとまどいは永遠になくならないという線引きを忘れないでおくことができれば、きっとお互いによい関係が築けるのではと思います。